歯科検診を終えて

 先日6月7日に幼稚園創立当初から、二代にわたり園児の歯を守ってくださっている富浦の出口歯科医院院長、出口晃先生による歯科検診と保護者を対象とした座談会が行われました。

 検診では床にお座りになった出口先生のお膝に頭をのせて、口を大きく開け、奥までしっかり見ていただきます。その検診スタイルに、園児たちは安心して検診を受けることができたようです。

また、園児たちは検診が終わるととても大きな声で「ありがとうございました!」とご挨拶し、ひとりひとりのご挨拶にきちんとお返事くださっていた出口先生でした。

園児の歯科検診結果

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検診後の座談会で、まず白百合の父兄は衛生意識が高く、よく見ているのがわかりますとおっしゃっていました。虫歯のある子どもが少なく、あってもきちんと治療されている、きちんと主治医を持っているように感じるとのことでした。虫歯でなくても、定期的に見ていただくかかりつけ医を持つことは非常に大切だということをお話くださいました。

また、10歳までの子どもの虫歯は親の責任だということ、子どもの歯磨きに期待せず、きちんと仕上げ磨きをしましょう、とのことでした。

それでは以下に座談会での内容をまとめましたので、ご参考になさってください。

姿勢

歯磨きはお膝の上でいいと思います。首が柔らかいので足から少し頭を落とすと口が大きく開き奥歯までよく見えます。磨きにくいほっぺと奥歯の間を磨くコツは、口を閉じて歯ブラシを動かすことです。大きく口を開けると逆に歯ブラシが入りにくいです。

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歯磨きの回数について

虫歯の原因となる歯垢が形成されるのに25時間かかるそうです。一日1回しっかり磨いていれば虫歯にはならないということです。これは大人にも言えることだそうで、朝晩の歯磨き習慣を変えることはないと思いますが、適当に3回磨くよりも1回をしっかり磨くことが大切です。

歯磨き粉、歯の磨き方について

歯磨き粉は使った方がいいです。歯磨き粉を飲んでしまうと気になっている方もいると思いますが、少なくとも日本製の歯磨き粉は安全性を考え成分にこだわって作ってあるため、仮に一本飲み込んだとしても大丈夫ですよ、とおっしゃっていました。

また、最近では歯磨き後に口をよくゆすがずにフッ素を残すのがいい方法だそうです。口をゆすいだ後に、もう一度歯ブラシについている歯磨き粉を全体にさっと塗る、または、少量の歯磨き粉で磨き、口をゆすがないという方法でもいいそうです。その場合の歯磨き粉はフッ素入りのものを選びましょう。

指しゃぶり

指しゃぶりをしていると成人まで骨に影響が出てしまうそうです。骨はみんなが思っているよりもずっと柔らかく、指しゃぶりで骨自体が変わってしまい、上の歯と下の歯があたらない開咬という状態になってしまいます。早めにやめさせた方がいいそうです。

おしゃぶりは最近のものはとても薄くできているので、3歳までは神経質にならず大丈夫です。

矯正

今回の検診で反対咬合が3名いました。矯正に入るタイミングは個人差があります。小さいうちに行うメリットは成長をコントロールできるというところです。広げることも狭めることもでき、大人ではそう動かないそうです。しかし、自分がやりたいタイミングで始める方がいいとおっしゃっていました。矯正はつらいので、長く時間がかかってしまうとしても、親が強く言わずに、自分の気持ちで始めることが大切だというお考えです。これに関しても、かかりつけの先生とよく相談することが大切です。

また、歯並びが悪いのを放置するのはよくないので、親の責任として考えるというお話もありました。

 

キシリトールガム

ショ糖と違い虫歯の栄養にならないそうです。キシリトール100%を選びましょう。飴など甘いものがずっと口の中に入っていると口中のpHが常に下がっている状態になり、虫歯になりやすいそうです。

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あご

あごの細さなどは固いものを噛まないせいかと心配されている方もいましたが、これは親の骨格に影響される部分が大きいため、固いものを食べるということも有効ではありますが、矯正しなければならない場合もありますので、小学2~3年生くらいで、かかりつけ医に相談するといいでしょう、とのことです。

エナメル質 色素沈着

レモン等を好んで食べていたため酸でエナメル質がとれてしまったようだとのご相談がありましたが、乳歯であれば大丈夫です、とのことでした。それより、好きで食べているのであれば、無理に辞めさせなくても大丈夫ですよとおっしゃっていました。

 

乳歯

乳歯がなかなか生えてこない等のご心配ですが、乳歯は個人差がありコントロールできないので、あまり神経質にならず待ってください、とおっしゃっていました。また乳歯が虫歯になる場所とは歯と歯の間の溝など決まっている場所なので、虫歯予防として、歯磨きに加え糸ようじなど使うことも有効だとのことです。

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癒合歯(ゆごうし)

難しく聞きなれない言葉ですが、簡単に言うと、2本の隣り合った歯が結合して1本になっている状態です。乳歯の癒合歯は2~3%みられ、今回の検診でも68名中3名が癒合歯との診断を受けました。

乳歯の癒合歯は治療の必要はありませんし、永久歯にも影響しないとのことで、心配しなくても大丈夫だそうです。ちなみに、乳歯では癒合歯でなかった人も0.3%と確率は下がりますが、永久歯で癒合歯になることがあるそうです。

最後に

今回の座談会は9名の保護者にご参加いただきました。出口先生は座談会において、保護者の質問ひとつひとつに丁寧に回答してくださいました。お話を聞いていると、ただ質問に答えるということではなく、園児に対し深い愛情を持ってくださっているのだなと感じました。ユーモアも交えつつお話くださって、とても楽しい時間でした。

口腔内のことは私たちにとって日々のこととしてとても身近な問題ですが、その割に正しい知識がないように思います。実際、知らなかったことも多くありました。今回、日頃疑問に思っていたことを質問でき、少し神経質になっていたことも大丈夫とわかり、気が楽になった部分もあります。また、今のところ自分に関係のない話でも興味深く聞くことができ、大変勉強になりました。

情報が溢れている現代ですが、こうして直接先生に自分の言葉で質問し、お話を聞ける機会というのは大変貴重だとつくづく思いました。日々の当たり前の行動にも意味が生まれ、意識が高まります。

参加者の方からも、参加してよかった、もっと多くの方に聞いていただきたい、という言葉も出ていました。

平成30年6月11日

館山白百合幼稚園

園 長  石垣 徹

文化部  村瀬 順子

※文化部の村瀬さんに大変正確な議事録を作成して頂きました。有難う御座いました。※

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